9.1 毎日目にする数値
調子を知るのに統計画面は必要ありません。アプリのあちこちに 3 つの数値が表示され、どれも無料です。
| 数値 | 表示される場所 | 意味 |
|---|---|---|
| 期限 | 「今日」、デッキの行、カード一覧 | 次の復習日が来たカード |
| 習熟度 | コレクションとデッキの行 | 最新の評価が「普通」か「簡単」だったカードの割合 |
| 連続記録 | 「今日」に「N日連続」と表示 | 1 回以上復習した日が続いた日数 |
9.1.1 期限
予定された復習日が過ぎたカードは期限を迎えます。「今日」は、すべてのコレクションの期限のカードと、その日に許される新しいカードを合計し、「約6分」のような予想時間を表示します。期限のカードがないとき、「今日」には すべて完了 と表示され、小さな 今後7日間 の帯で明日の作業量がわかります。期限の決め方は第 6 章のテーマです。
9.1.2 習熟度
デッキの習熟度は、最新の評価が「普通」か「簡単」だったカードをすべて数え、デッキのカードの枚数で割ったものです。一度も復習していないカードも、まだ習熟していないものとして数えられるので、読み込んだばかりのデッキは 0 % から始まります。コレクションの習熟度はそのデッキの習熟度の平均で、デッキの大きさにかかわらず、どのデッキも同じ重みです。
最新の評価だけが数えられるので、習熟度は記念のトロフィーではなく、その時点のスナップショットです。先週覚えていたカードに「もう一度」を押すと、正解し直すまでそのカードは数えられなくなります。それが狙いです。この数値は、今日わかっていることを示します。
9.1.3 連続記録
連続記録は、1 枚以上のカードを復習した日を数えます。1 枚で十分です。猶予の日もあります。今日まだ復習していなくても、今日が終わるまでは昨日までの連続記録が続いています。
JustFlip! は、たまに抜けた日には寛容です。現在の連続記録の中で、2 日までの抜けは自動的につなぎ合わされるので、忙しい 1 日のせいで 1 か月続いた習慣が消えることはありません。つなぎ合わせた日自体は日数に加わりません。連続記録が途切れる前にお知らせがほしい場合は、設定 › リマインダー で 連続記録レスキュー をオンにします。その日にまだ復習していないとき、夜に 1 回リマインダーが届きます。
9.2 統計を開く(Pro)
統計画面全体は Pro の機能です。「コレクション」の一覧の上部にある 設定 メニュー(歯車のアイコン)を開き、統計 を選びます。Pro がない場合、メニューの項目には鍵が付き、代わりに Pro の画面が開きます。Pro の無料トライアルでも使えるようになります。
統計は常に一度に 1 つのコレクションを対象にします。上部の 範囲 で選びます。その下にあるものは、概要タイルから予測まで、すべてそのコレクション内のデッキの合計です。そのおかげで、数値を時間の経過とともに比較しやすくなります。2 つの分野を比べるには、選択を切り替えてください。
復習すると画面は自動で更新されるので、iPad や Mac で学習セッションの横に開いたままにしておけます。
9.2.1 概要タイル
| タイル | 表示内容 |
|---|---|
| 成熟カードの定着率 | 過去30日間 に成熟カードを思い出せた割合(定着率を参照) |
| 復習 | 今日を含む 過去7日間 の復習の回数 |
| 現在の連続記録 | このコレクションでの連続記録と、これまでの最長記録 |
| 現在の期限 | 今期限のカードと、明日期限を迎えるカードの枚数 |
ここでの連続記録は「今日」と同じ方法で計算されますが、選択したコレクションでの復習だけが対象です。すべてのコレクションを数える「今日」の連続記録より短くなることがあります。
9.2.2 コレクションの段階
コレクション の下では、コレクション内のすべてのカードが 4 つの段階のいずれかに分類されます。
| 段階 | 説明 | 意味 |
|---|---|---|
| 新規 | これから学ぶ | 一度も復習していない |
| 学習中 | 記憶を構築中 | 学習中、または忘れたあとの再学習中 |
| 復習中 | 定着を強化中 | 通常の復習サイクルの中にある |
| 卒業 | 習得済み | 間隔が 30 日以上 |
健全なコレクションは、何週間かかけて右へと移っていきます。カードが段階を移る仕組みは第 6 章で説明しています。
現在の期限 は、後回しにしたカードも含め、復習日が過ぎたコレクション内のすべてのカードを数えます。「今日」は 1 回のセッションに収まる分だけを出します。後回しにしたカードは除かれ、残りも 1回あたりのカード数 と 1日の新規カード数 で制限されます。「現在の期限」が多いのに「今日」のセッションが短いのは正常で、不具合ではありません。
9.3 定着率:全体と成熟カード
定着率が答える問いはひとつです。カードが出てきたとき、思い出せたか? 「普通」か「簡単」と評価した復習は、思い出せたものとして数えられます。「もう一度」と「難しい」は、どちらも思い出せなかったものとして数えられます。
成熟カードの定着率 のグラフは、その割合を日ごとに描きます。期間はセグメントコントロールで選びます:7D、30D、90D、All。
大事なのは成熟という言葉です。回答する前にカードの間隔が30 日以上に達していた場合、その復習は成熟とみなされます。新しいカードは「思い出す」のが簡単です。1 分前に見たばかりだからです。1 か月前に最後に見たカードこそが長期記憶の本当のテストで、成熟の線が示すのはそれです。
最初の数週間は、まだ成熟した復習がありません。その場合グラフは全体の定着率(すべてのカードのすべての復習)を代わりに表示し、下の説明にもそう書かれます:「すべての復習を表示中 — 成熟シグナルはカードが30日の間隔に達すると表示されます。」最初のカードが 30 日の線を越えると、グラフは自動で成熟シグナルに切り替わります。期間内に復習がまったくない場合は、成熟した復習がまだ十分ではありません と表示されます。
1 日の値は、3 回の復習だけで 60 % から 100 % まで振れることがあります。30D か 90D を選び、線の形を見ましょう。80〜90 % 台で平らな線なら、スケジュールがきちんと機能しています。
9.4 継続性:連続記録とヒートマップ
継続性 のセクションには、そのコレクションの 現在 と 最長 の連続記録が表示され、その下に過去 12 週間のヒートマップがあります。1 つのマスが 1 日を表し、期間中で最も復習した日を基準に、色が濃いほどその日の復習が多かったことを示します。今日のマスには小さな点が付きます。
色ではなく、すき間と塊に注目しましょう。毎週日曜日の 1 時間より、毎日 10 分のほうが効果的です。間隔反復は、期限に近いタイミングでカードを見ることが前提だからです。
最長 は、これまでで最も長く連続した日数で、現在 を守る 2 日分のつなぎ合わせは含みません。そのため、抜けた日を乗り越えた現在の連続記録が、「最長」より長くなることがあります。どちらの数値も正しく、測っているものが少し違うだけです。
9.5 デッキの比較
デッキの比較 は、コレクション内のデッキを定着率でランキングし、最も低いものを上に表示します。このバーは過去 30 日間だけでなく、そのデッキでのこれまでのすべての復習を数えるので、ゆっくりとしか変わりません。グラフの下には、上位 4 つのデッキについて、今期限のカードの枚数と、失念(覚えていたカードをまた忘れた回数)の合計が表示されます。
いちばん上のデッキこそ、努力がいちばん報われる場所です。たいていは次の 3 つのどれかを意味しています。
- カードがわかりにくい。 答えが 2 つありうる、または 1 枚に詰め込みすぎ。直し方は第 3 章にあります。
- まだ学んでいないことの上に成り立つ内容。 これこそ AIに聞く の出番です。
- 急ぎすぎている。 吸収できる以上の新しいカードを追加しています。しばらく 1日の新規カード数 を減らしましょう。
9.6 今後の復習予測
予測は、現在のスケジュールに基づいて、今後 7D または 30D の各日に何枚のカードが期限を迎えるかを示す棒グラフです。すでに期限を過ぎているカードは今日のバーに加えられるので、たまった分が見えなくなることはありません。卒業済みのカードは除外されます。
大量の読み込みや、新しいカードの多い 1 週間のあとは、2 週間先に山ができるのが普通です。山が来るのが見えたら、分散させましょう。その前の数日に少し多めに復習します。
評価を付けるたびにカードの期限は動くので、予測は約束ではなく見込みです。間違えたカードは早く戻ってくるので、明日はグラフより忙しくなります。
9.7 数値を正直に読む
頑張っている気がするのに、ほとんど身についていないということはよくあります。統計画面は、もっと難しい問いに答えるために作られています。よりよく学べているのか、それとも単に多く復習しているだけなのか? いくつかの目安です。
- 復習が増え、成熟カードの定着率が下がっている。 定着させるより速く追加しています。新しいカードのペースを落としましょう。たまった分が減っていきます。
- 成熟カードの定着率も復習の量も安定している。 これが目標です。スケジュールが機能しています。そのまま続けましょう。
- 全体の定着率は高いが、成熟シグナルがまだない。 何も問題ありません。カードがまだ 30 日の間隔に達していないだけです。1 か月待ちましょう。
- 1 つのデッキだけがほかよりずっと低い。 そのデッキにはカードの問題か前提知識の問題があり、意志の力の問題ではありません。デッキの比較を参照してください。
- 連続記録は長いが、マスの色が薄い。 1 日 1 枚でも連続記録は続きますが、スケジュールは追いつきません。現在の期限 にも注目しましょう。
この章の数値はすべて、あなたの評価から作られています。半分しか思い出せなかったカードに「普通」を押すと、習熟度、定着率、間隔がまとめて水増しされ、カードは本来より遅く戻ってきます。「難しい」は失敗ではなく、情報です。
9.8 「AIに聞く」:自分専用のチューターに伝える
数週間たつと、JustFlip! はどのチャット AI も知らないことを知っています。あなたのカードのうち、どれを習得し、どれを何度も間違えているかです。AIに聞くは、それをすぐに使えるプロンプト(指示付きの学習レポート)に変えます。ChatGPT、Claude、Gemini などのアシスタントに貼り付けて使います。
9.8.1 場所
| 開く場所 | 選ぶ項目 | 範囲 |
|---|---|---|
| カード一覧のカード(長押しまたは右クリック) | AIに聞く | そのカード |
| 復習画面上部のキラキラボタン | カードについてAIに聞く | 表示中のカード |
| 復習画面上部のキラキラボタン | デッキについてAIに聞く (Pro) | そのカードのデッキ全体 |
| デッキ一覧のデッキ(長押しまたは右クリック) | AIに聞く (Pro) | デッキ全体 |
| 復習後の結果画面 | AIに聞く | そのセッションのカード |
1 枚のカードとセッションのレポートは無料です。デッキのレポートは Pro です。Pro がない場合、これらのメニュー項目には鍵が付き、Pro の画面が開きます。
9.8.2 レポートの内容
デッキのレポートは、カードを履歴によって分類します。
- 苦手なカード:失念が 1 回以上ある、易しさが低い、またはまだ学習中のカード。苦手な順に並び、それぞれに答えと 1 行の統計が付きます。たとえば “failed 4 of 6 review(s) · 2 lapse(s) · ease 1.8 · avg 21s to answer”。レポートには最大 25 枚まで含まれます。
- 習得したカード:前提として問題だけが並びます。AI がそれをもう一度教えて時間を無駄にしないためです(最大 60 枚)。
- まだ履歴のない新しいデッキは、カードが 1 枚ずつ並べられ、AI にはテーマを推測して基礎を教えるよう依頼されます。
カードのレポートは 1 枚のカードを扱います。問題と答え、そしてそのカードでのあなたの履歴です。セッションのレポートは、終えたばかりの復習のカードを、それぞれに付けた評価とともに並べます。
9.8.3 AI に依頼する内容
指示は、どの範囲でも同じ考え方です。
- 前提知識を教える。 間違いはしばしば、デッキが扱っていない背景知識を指し示しています。そこで AI に、基礎から教えるよう依頼します。
- 間違った答えから推測される誤解を説明する。
- 情報源を勧める。 それぞれ直接リンク付きで、公式のドキュメントや信頼できる資料を優先します。
- 必要に応じて新しいフラッシュカードを書く。
足りない部分を補うカードを、そのまま読み込める
CSV(
question,answer)としてコードブロックに書きます。
プロンプト自体は、チャットモデルが最も確実に従える英語で書かれていますが、AI にはデバイスの言語で返答するよう、また新しいフラッシュカードはデッキの言語で書くよう依頼しています。
9.8.4 送る
シートには プロンプトをコピー
と、.txt ファイルとして保存する プロンプトを保存 があります。AIチャットで開く の下にある ChatGPT、Claude、Gemini
の行は、アプリがインストールされていればアプリで、なければブラウザで、新しい会話を開きます。プロンプトは引き継がれないので、先にコピーしてから開き、貼り付けてください。下部の
プロンプトのプレビュー
には、共有しようとしている内容がそのまま表示されます。
AI が新しいカードを書いてくれたら、その返答をコピーし、「コレクション」の一覧に戻って 追加または読み込み › カードを貼り付け を選びます。JustFlip! は返答の中から(コードブロックの中でも)CSV を見つけ出し、プレビューを表示します。何かが保存される前に、デッキを選べます。
「AIに聞く」の中に AI はありません。JustFlip! はデバイス上でテキストを組み立てるだけで、AI サービスに接続することはありません。レポートがアプリの外に出るのは、あなたがコピーまたは保存したときだけです。その先は、あなたと貼り付け先のサービスとの間のことなので、カードに個人的な内容が含まれている場合は、先にプレビューを確認してください。
レポートはプレーンテキストです。片方の面にテキストがなく、画像やオーディオだけのカードは、AI には “(no text — this card uses an image, audio, or PDF)” として届きます。進捗トラッカーはデッキのレポートから完全に除外されます。デッキがほとんど画像なら、重要なカードに 1 行テキストを加えておきましょう。
9.9 統計を書き出す
自分のスプレッドシートやグラフに使うために、コレクションの統計をすべて書き出せます。書き出しは無料です。
- iPhone と iPad:「コレクション」の一覧でコレクションを長押しし、統計を書き出す を選んでから、スプレッドシート(CSV) または 完全データ(JSON) を選びます。ファイルの保存先を選びます。
- Mac:コレクションを右クリックすると同じメニューが表示されます。または、コレクションを選択して ファイル › Export Statistics… を選ぶと、CSV が保存されます。
ファイル名はコレクションの名前に基づきます。たとえば
Spanish.flashcards-stats.csv です。
9.9.1 CSV:カードごとに 1 行
| 列 | 内容 |
|---|---|
interest、deck |
カードの場所 |
question、answer |
カードのテキスト |
state |
unseen、learning、reviewing、relearning、graduated
のいずれか |
ease_factor |
カードの易しさ(新しいカードは 2.5) |
interval_days |
現在の間隔(日数) |
due_date |
次の復習。ISO 8601 形式の日時 |
lapses |
覚えたあとに忘れた回数 |
streak |
連続正解の回数 |
total_reviews |
記録されたすべての復習の回数 |
success_rate |
「普通」か「簡単」の回答の割合(0〜1) |
avg_review_time_sec |
回答までの平均時間 |
last_reviewed |
最後の復習の日時。一度もなければ空欄 |
9.9.2 JSON:すべて
JSON の書き出しには、カードごとの同じフィールドに加えて、デッキごとの段階の概要、開始・終了・カード枚数・正答率を含むすべての学習セッション、そして各カードの完全な履歴が含まれます。履歴には、すべての復習について、日時、評価、回答時間、前後の間隔と易しさが記録されています。自分の忘却曲線をグラフにしたいときに使ってください。
統計ファイルは閲覧用で、復元用ではありません。JustFlip! に読み込み直すことはできず、画像や音声も含まれません。進捗ごとコレクションを移動したりバックアップしたりするには、代わりに アーカイブを書き出す を使ってください。第 10 章を参照してください。