JustFlip! ユーザーマニュアル

章 4

画像、音声、オクルージョン

説明するより、覚えるほうが簡単なものがあります。鳥、和音、手の骨、単語の発音。JustFlip! では、カードに画像を表示したり、音声を再生したり、画像オクルージョンで図の一部を隠して、その中のすべてのラベルについて自分をテストしたりできます。

この章の内容
  • 「写真」やクリップボードから画像を追加し、配置を選ぶ
  • エディタがどのタブを保存するかを知り、何も失わないようにする
  • VoiceOver 向けに画像を説明し、作者のクレジットを記載する
  • カードに音声を入れ、Anki の複数のトラックを再生する
  • 1 枚のラベル付きの図を、画像オクルージョンのカードのセットに変える
  • くっきりして、軽く、ダークモードでも見える画像を用意する

この章の内容に JustFlip! Pro は必要ありません。画像、音声、画像オクルージョンは、無料版でも同じように使えます。

4.1 画像を追加する

カードの各面には、それぞれ画像を入れられます。追加の方法は 3 つあり、画像がどこに置かれるかが異なります。

テキストの中に。 テキスト タブで、書式ツールバーのいちばん左にある画像ボタン(画像を挿入)をタップし、写真を選びます。JustFlip! はカーソルの位置に目印 ![attachment:0] を入れ、カード上ではちょうどその位置、前後の言葉の間に画像が表示されます。

面全体として。 画像 タブに切り替えて 画像を選択 をタップします。テキストがなければ、画像は中央に配置され、収まるように拡大縮小されて面いっぱいに表示されます。国旗、葉、レントゲン写真など、「これは何?」と問うカードにはこれが最適です。

クリップボードから。 どこかで画像をコピーし、テキストフィールドにペーストします。JustFlip! は元の場所へのリンクではなく画像そのものを保存し、目印も挿入してくれます。

カードエディタの「画像」タブ。写真が選ばれ、その下に説明とライセンスの欄があります。

1 つの面に入れられる画像は 1 枚です。別の画像を選ぶと置き換わります。画像を外すには、画像 タブを開いて 削除 をタップします。

ヒント
Mac では

画像ボタンを押すと「写真」ライブラリが開きます。ダウンロードしたファイル、スクリーンショット、スキャンなど、ほかの場所にある画像は、先に「写真」に追加してから、カードエディタで選んでください。

ヒント
カード用に写真を撮る

まず「カメラ」App で写真を撮り、カードエディタで「写真」から選んでください。

4.1.1 画像の配置

画像が置かれる場所は 3 通りあります。JustFlip! は設定ではなく、その面の内容から判断します。

面の内容 画像の位置
画像があり、テキストがない 面いっぱいに、中央に配置
テキストに ![attachment:0] の目印がある テキストの中、目印の位置
テキストに目印がない テキストの下に、ブロックとして

3 つ目は、読み込んだデッキ(第 5 章)や多くの厳選デッキで見られるケースです。ファイルは画像を指定していても、テキストに目印がありません。こうした画像はテキストを編集してもそのまま残り、削除するには 画像 タブを使います。

テキストに目印があるときにその目印を削除すると、保存したときに画像も一緒に削除されます。

知っておくと便利
1 つの面に複数の画像

自分で作る面には画像を 1 枚だけ入れられます。Anki から読み込んだカードには複数の画像が含まれることがあり、それぞれに ![attachment:0]、![attachment:1] のように番号付きの目印があります。目印を 1 つ削除すると、その画像だけが消え、ほかの画像は残ります。

カード上の大きな画像には 拡大 ボタンが表示されます。画像がフルスクリーンで開き、ピンチやダブルタップで細かいところまで見られます。

4.2 表示しているタブが保存されます

テキスト、画像、オーディオ のタブは、1 つの面の 3 つの引き出しのように見えます。実際には 3 つの種類の面に近く、保存 は表示しているタブの内容を保存します。

保存したタブ その面に残るもの
テキスト テキスト。テキストの中または下にある画像。カードにすでにあった音声
画像 画像。カードにすでにあった音声。テキストは削除されます
オーディオ 音声と、その面の言語。テキストと画像は削除されます
注意
保存する前に「テキスト」に戻る

テキストもあるカードの音声や画像を置き換えるときは、オーディオ または 画像 タブで変更したあと、テキスト に戻ってから 保存 をタップしてください。ほかのタブで保存すると、その面のテキストが失われます。

このルールから、組み合わせたカードの簡単な作り方がわかります。

  • テキストと画像:テキスト タブのまま、ツールバーの画像ボタンで画像を追加します。
  • 画像と音声:オーディオ タブで音声を選んで保存します。次にカードを編集し、画像 タブで画像を選んでもう一度保存します。
  • テキストと音声:オーディオ タブで音声を選んで保存します。次にカードを編集し、テキスト タブでテキストを書いて保存します。

2 段階の手順が必要なのは、新しいカードで選んだ音声は オーディオ タブからしか保存されないためです。いったんカードに音声が入れば、ほかのタブでも保持されます。

4.3 画像の説明とクレジット

面に画像があると、その下に 画像の説明 と 画像ライセンス の 2 つの欄が表示されます。どちらも任意ですが、数秒かける価値があります。

4.3.1 説明

VoiceOver は、画像の代わりに説明を読み上げます。説明がないと「画像」とだけ読み上げられ、カードが見えない人には何も伝わりません。

画像が何を意味するかではなく、何を写しているかを説明しましょう。「この鳥は?」と問うカードなら、「柵の柱にとまった、胸の赤い小さな茶色の鳥」と書きます。「コマドリ」と書くと答えがわかってしまいます。

知っておくと便利
説明と読み上げのヒントは別のもの

説明は VoiceOver のためのものです。第 3 章の読み上げのヒント ![attachment:0]{a red apple} は、スピーカーボタンや「カードを読み上げ」が読む内容です。ヒントのない画像は、説明に何が書かれていても、カードの読み上げでは何も読まれません。

4.3.2 ライセンス

他人の写真や絵を使うときは、画像ライセンス に作者とライセンスを記入しましょう。たとえば「写真:Jane Doe、CC BY 4.0」のように書きます。この欄では [label](https://…) 形式のリンクも使えます。

カードのフッターには小さな ⓘ ボタンが表示されます。タップすると全文がシートで開くので、カードをごちゃごちゃさせずに、知りたい人がいつでもクレジットを確認できます。

写真入りのカードと、フッターの ⓘ ライセンスボタン。その上に「画像ライセンス」のシートが開いています。

厳選デッキや AI が作ったデッキでも、q_image_license と a_image_license の欄にライセンスを入れられます(第 5 章)。

4.4 サイズ、形式、同期

カードの画像は、カードと一緒に移動します。ライブラリの中に保存され、iCloud を通じてすべてのデバイスに同期されるので、Mac で追加した画像はすぐに iPhone にも届きます。

その便利さには代償があります。1 MB ごとに、すべてのデバイスに同期されるのです。JustFlip! は画像のサイズを自動で抑えます。保存時に、長辺が 3,000 ピクセルを超える画像は 3,000 ピクセルまで縮小され、不透明な写真は JPEG として保存され、透明部分のある画像は透明部分を保ちます。それより小さい画像はそのまま保存されます。

音声ファイルは、選んだものがそのまま保存されます。3 分の録音は、テキストのカード 100 枚分より重くなることもあるので、必要な部分だけに切り詰めておきましょう。

使えるもの 使えないもの
画像 「写真」ライブラリに表示されるもの。読み込みでは PNG、JPEG、GIF、WebP SVG などのベクター形式
音声 .mp3、.m4a、.wav など、システムがオーディオとして認識するファイル ビデオ
注意
SVG は使えません

ベクター画像(.svg)はカードに表示できません。先に PNG として書き出してください。幅は 2,000 ピクセル程度、背景は白にします(うまく機能する画像を参照)。

4.5 カードの音声

オーディオ タブを開いて オーディオファイルを選択 をタップし、「ファイル」からファイルを選びます。タブには、ファイルの名前とサイズ、削除用のゴミ箱ボタン、オーディオを置き換え が表示されます。その下には、その面の 言語 があります。

JustFlip! はマイクから録音しません。「ボイスメモ」で録音し、メモを「ファイル」に共有して、そこから選んでください。

オーディオファイルを選んだ「オーディオ」タブ。名前、サイズ、ゴミ箱ボタン、「オーディオを置き換え」。

4.5.1 再生のしかた

自動で再生されることはありません。表示は面の内容によって変わります。

  • 音声だけの面では、カードの中央に大きな再生ボタンが 1 つ表示されます。
  • テキストや画像もある面では、フッターのスピーカーボタンの隣に小さな オーディオ ボタンがあります。音声の再生中は 再生中 と表示されます。

音声を再生すると、カードを読み上げている声は止まります。逆も同じです。

4.5.2 複数のトラック

Anki のノートには、1 つの面に複数の音声が含まれていることがあります。たとえば単語、続いて例文、といった具合です。JustFlip! はそれらを元の順序のまますべて保持します。フッターのボタンは オーディオ (2)、オーディオ (3) のように表示され、トラックごとの項目が並んだメニューが開きます。

注意
1 つのトラックを置き換えると、すべて置き換わります

エディタには最初のトラックだけが表示されます。オーディオを置き換え やゴミ箱ボタンは、その面のすべてのトラックに作用します。追加のトラックを残したい場合は、オーディオ タブには触れないでください。

4.6 画像オクルージョン

画像オクルージョンは、1 枚の画像をたくさんのカードに変えます。図の一部を図形で覆うと、覆った部分がそれぞれ「ここには何がある?」と問う 1 枚のカードになります。地図、解剖図、回路図、運指表など、ラベルでいっぱいの画像を覚えるいちばんの近道です。

オクルージョンエディタ:ラベルの上に長方形を描いた解剖図と、その上のツールの列。

4.6.1 オクルージョンカードを作る

  1. デッキを開き、その他の操作 ボタン(•••)をタップして、画像オクルージョンのカードを追加 を選びます。
  2. 画像を選択 をタップして画像を選びます。
  3. 画像の上をドラッグして領域を覆います。覚えたいラベルごとに繰り返します。
  4. モードを選び、必要ならテキストを加えて、N枚のカードを保存 をタップします。

画像の上のツール:

ツール 機能
長方形 / 楕円 ドラッグして新しい領域を描く
選択 ドラッグして領域を移動し、角のハンドルでサイズを変える
取り消す / やり直す 編集を一歩ずつ戻したり進めたりする
領域を複製 選択した領域をコピーする
領域を削除 選択した領域を削除する
画像を変更 下の画像を差し替える

4.6.2 2 つのモード

モード では、カードが問題を出している間に画像をどれだけ隠すかを選びます。どちらのモードでも、領域ごとに 1 枚のカードになります。

モード 出題中 向いている用途
1つ隠して1つ答える テストする領域だけが覆われ、ほかのラベルはすべて見える 周りを手がかりに、ものの位置を覚える
すべて隠して1つ答える すべての領域が覆われ、テストする領域は太い枠と疑問符で示される ほかのラベルをヒントにせず、しっかり自分をテストする

まずは 1つ隠して1つ答える から始めましょう。画像が簡単に感じられるようになったら、すべて隠して1つ答える で 2 つ目のカードのセットを作ると、よい試験になります。

4.6.3 周りのテキスト

モードの下には、任意の欄が 3 つあります。

  • 見出し(任意):すべてのカードで画像の上に表示されます。ここに問題を書きます。たとえば「この骨の名前は?」。
  • 画像全体のメモ(任意):答えが表示されると、画像の下に表示されます。語呂合わせや補足にぴったりです。
  • コメント(任意):自分用のメモです。カードと一緒に保存されますが、復習中には表示されません。

さらに 画像の説明 があります。エディタにもあるとおり、VoiceOver は画像の代わりにこれを読み上げます。答えがわからないように図を説明してください。骨の名前を並べるのではなく、「人間の骨格を正面から見た図」のように書きます。

注意
覆うのは画像で、その中のテキストではありません

領域は、描いた範囲だけをぴったり覆います。ラベルが長方形からはみ出していれば、答えが見えてしまいます。余裕を持って描きましょう。ラベルの周りに余白をとっても損はありません。

4.6.4 オクルージョンカードの復習

オクルージョンカードはめくりません。画像はそのままで、上部の 答えを表示 をタップする(またはキーボードの Space キーを押す)と、覆われていた領域が枠付きで開き、ほかの部分はそのまま残ります。あとはほかのカードと同じように評価します。細かい図はピンチで拡大できます。

復習中のオクルージョンカード。「答えを表示」の前と後。

オクルージョンカードは、iPhone、iPad、Mac では通常の復習に含まれます。Apple Watch ではこれらのカードを除外し、iPhone で待っているカードの枚数を知らせます。

4.6.5 オクルージョンカードの編集

セットのどのカードでも、長押し(Mac では右クリック)して カードを編集 を選ぶと、JustFlip! はテキストエディタではなく領域エディタを開きます。そこで領域の移動、追加、削除や、モード、テキスト、さらには画像の変更もできます。

残した領域は、復習の履歴も保たれます。追加した領域は新しいカードになり、削除した領域はそのカードも一緒に削除されます。

知っておくと便利
Anki やファイルからのオクルージョン

Anki 標準の画像オクルージョンノートや、以前からある Image Occlusion Enhanced アドオンのノートは、デッキを読み込むと JustFlip! のネイティブなオクルージョンカードになります(第 5 章)。コーディングエージェント用スキルで作ったデッキファイルにも、オクルージョンカードを含められます。

4.7 うまく機能する画像

カードは画像をそのまま描きます。背後に下敷きも、枠も、自動のコントラスト補正もありません。そのおかげで写真は自然に見えますが、いくつか覚えておきたい習慣があります。

注意
透明な線画はダークモードで消えます

透明な背景に黒い線の PNG は、ライトモードでは完璧に見えます。ダークモードではその背後のカードがほぼ黒になり、線、ラベル、五線譜の音符など、絵がすべて消えてしまいます。図、数式の画像、スキャンしたスケッチを追加する前に、白か明るい色の背景を付けてください。多くの画像編集アプリではこれを統合(フラット化)と呼びます。JPEG で書き出しても同じ効果があります。同じようなカードを 50 枚作る前に、一度ダークモードで確認しておきましょう。

ほかにも、いくつかの目安があります。

  1. ラスター画像を使う。 図、テキスト、線画には PNG、写真には JPEG。SVG は使えません。
  2. 長辺 2,000 ピクセル程度で十分。 JustFlip! はカード上に約 2,200 ピクセルを超える大きさで画像を描くことはなく、3,000 ピクセルを超える画像は保存時に縮小します。それ以上の解像度は同期の時間を増やすだけです。
  3. 思い切ってトリミングする。 カードは小さいものです。問うている対象以外はすべて切り落としましょう。それだけで画像が大きく表示されます。
  4. 画像内の文字は大きく。 ノートパソコンの画面で読めるラベルも、iPhone のカードではぼやけることがよくあります。拡大もできますが、拡大しないと読めないカードは復習に時間がかかります。
  5. 1 枚の画像に 1 つのアイデア。 ラベルが 20 個ある図は、1 枚の悪いカードにも、20 枚のよいオクルージョンカードにもなります。

4.8 クイックリファレンス

操作 場所
テキストの中に画像 テキスト タブ → ツールバーの画像ボタン
面全体を画像に 画像 タブ → 画像を選択
クリップボードから画像 テキストフィールドにペースト(Mac では ⌘V)
画像を削除 画像 タブ → 削除
VoiceOver 向けの説明 画像の下の 画像の説明
作者のクレジット 画像ライセンス → カード上の ⓘ ボタン
音声を追加 オーディオ タブ → オーディオファイルを選択
音声を置き換え・削除 オーディオ タブ → オーディオを置き換え またはゴミ箱ボタン
新しいオクルージョンカード デッキ → その他の操作 → 画像オクルージョンのカードを追加
オクルージョンの領域を編集 セットのどれかのカードを編集
オクルージョンカードの答えを表示 答えを表示、または Space キー

↑ ページの先頭へ · すべての章 · PDF